記憶――それは人の生の記録。
”記憶の一族”の少女ララは
死を迎えた人間のもとへ向かい、
生前の記憶を集めることを生業としていた。
多彩な生の歩み。多様な生の結末。
同じものは一つとしてなく、それぞれの人生がある。
ララは人という存在に興味を抱くも
”記憶の一族”の歌い手で姉のアリデラに
『人に直接関わってはならない』という
一族の掟を守るよう諭される。
――どうして人と関わってはいけないの?
興味から生まれた素朴な疑問。
その疑問はやがて少女の生き方を変えていく。
これは一人の少女が紡ぐ
記憶と歌の物語――。